混沌

　政府の無策で世の中が「混沌」としている。接種回数、１日100万人を達成するために大学・職場接種を行い、地方の自民党系でない知事の都道府県ではワクチン供給が赤信号となっている。感染拡大を抑えられないまま、五輪を開催しようとし、選手受け入れは自治体まかせ。肝心の開催都市の都知事はダウンして療養中。コロナ担当大臣は芸人とスナップ写真を撮ってワクチン接種を訴えるが、供給量が足らずに新受付を中止している現状の報告はない。飲食店の自粛要請は守らない店が大儲けして、正直者がバカを見る。
　五輪を開催するのなら、これを条件に国民全員分のワクチン量をアメリカやIOCから確保できたはずだが、それもできなかった。４年ずらしてフランス開催を東京に変更もできたはずだ。外面がよくて内面の悪い、古い日本の父親像そのままの菅政権、(もっとも、誰がトップでも今の政治家では大差ないかもしれないが)では世界と渡り合ってはいけないか。

都知事ダウンをどう見るか

　この重大局面で都知事がダウンしたことについてどう評価するか。やはり体調管理の不備、危機管理の甘さを批判しなければならない。日本人は必ず、これまで頑張ってきたのだから仕方がないと人情論を出すに違いない。
　しかし、そのような感情で判断をする民族は世界でどれくらいいるのか。島国の狭い範囲で仲良く暮らしてきた日本は、総人口では世界11位らしいが、大半の大陸に住む民族の、ドライな物の考え方からすれば、なんと甘い民族だとバカにされるのが落ちだ。
　人間だからダウンするのは仕方がない。それなら後を受けた副知事が知事と同様な指導がとれるように配慮してきているか、それにかかっている。ワンマン的なトップは目立ってはいるが、総力で政治を行ってきていないと、このようなトップ不在で綻びが見える。トップの裁量は部下がいかに育っているかで、今回は都民はそれを知るいいチャンスでもある。
　某大臣の個人的なやっかみは論外である。

政府は毅然と更迭を

　まず宮内庁長官は更迭すべきだと思う。天皇を政治の場にさらした責任は重い。この長官は、天皇を憲法違反にさせていることが分かっていない。さらに世論の批判も覚悟で言うと、内親王の結婚についてははっきりと反対の方向を出さなければいけない。それでも内親王が結婚を希望されるなら皇室から離脱されたらいいことで、今のままでどうこうと宮内庁がはっきりした指針を示さないための混乱である。
　宮内庁は憲法に定められた範囲で天皇家を守るという使命が分かっていない。象徴天皇を守るのであって、天皇家の人間性を守るのではない。それが憲法だ。法と言うものは時には冷たいものだということを分かっていない者が宮内庁に、しかもトップにいるべきではない。